拡大写本部

弱視の子供たちのために、教科書の文字を大きな文字に作り替えた教科書です。
 視覚障害者の70%~80%が、眼鏡などで矯正しても見えにくい、日常生活をしていく上での視覚情報が極端に制限されてしまう「弱視」の人達です。  

 学校で使用の検定教科書は、弱視の子供たちにとって、とても使いにくいものでした。「拡大コピーでは駄目なのか?」ということを聞かれます。だめなんですね。 教科書にはいろんな大きさの文字がありますので、一律に拡大コピーは出来ません。 

●「拡大教科書」の歴史
 もともと家族がその子供の為に、文字を大きく手書きで書き直していたのがはじまりです。でも毎日それは大変なので、そこに手伝ってくれる人達が集まってグループができ、 それを企業(富士ゼロックス)が支援してくれるようになりました。ワープロが出来て文字を簡単に一度に大きく作れるようになり、パソコン登場でイラストや挿絵を自由に動かせて、ページ数の多い教科書も拡大できるようになってきたんです。どんどん進化してきています。

●ぽこあぽこの取り組み
 “ぽこ・あ・ぽこ”では、2004年度の拡大教科書無償化が実現したころから、本格的に中学校の教科書を作るようになりました。この10数年で多くの弱視児童のみなさんの拡大教科書を作ってきました。作業には、ワードやイラストレーター・フォトショップなど、いろいろなソフトを使います。 

●「拡大教科書」の種類
 文字の大きさ、色、背景色、線の太さ、使い勝手、冊数や厚さ…などなど、使う子供たちの意見を沢山聞いて、その子にとって一番いい拡大教科書になるように、今までにいろんな工夫をしてきました。例えば、黒色の背景に白色文字を乗せます。こうすることにより「とても見えやすくなった」と喜んでくれる子供も多いです。また中学生では、穴あきルーズリーフに印刷し、リング綴じする場合もあります。36ポイン トや48ポイントなどの大きな文字の場合A2(新聞サイズ)に印刷する場合もあります。 

●「拡大教科書」作りの流れ
 メンバーは正直若い人ではありません。年齢を聞いてちょっとびっくりの方も…若い方、年配の方、いろいろ興味を持たれた方なら、ご参加ください。はじめはパソコンが苦手な方も…。でもメンバー間での情報交換で、みなさんいろんなソフトを使って作れるようになってきました。もちろんパソコン初心者の方が、参加してくださっても問題なく、作業をしていただける準備もしています。 

 パソコン作業の次は、校正をします。教科書ですから、勝手に文字や文章を変更できません、一字一句正確に作るために何度も校正をします。
 最後は 製本です、製本機でする場合もありますし、一冊一冊手作業で製本もします。
ほんとに時間がかかります、一冊の教科書が全部できるまでに、中学校 の教科書の場合、10ヶ月近くかかり、20分冊位に分かれる場合もあります。

でも子供さんに喜んで使ってもらったら嬉しいので、日々コツコツ作業をしています。最近は教科書だけでなく、社会人の方の参考書や、仕事でお使いになる本なども、依頼があれば拡大しております。